ユーラスグループ

ユーラスグループの会社情報

会社名 株式会社村上精機工作所(ユーラステクノ)
代表者 代表取締役会長 村上 博  代表取締役社長 橋本 尚二
所在地 福岡県北九州市八幡西区洞北町1-1
事業内容 (1)振動モータの製造(2)振動応用機械(搬送機、フルイなど)、粉体機器(分級機、空気輸送機など) の製造(3)産業用ブレーキの製造
従業員 95名
公式サイト murakami-seiki.co.jp

ユーラスグループのポイント3つ

  • モノづくりの会社は、ほぼすべてがお客様
  • 「振動モーター」で国内シェア60%、世界シェア12%
  • 世の中全ての流れの中に必要な粉粒体技術の担い手

揺らす技術のスペシャリスト【ユーラスグループ】

「振動モーター」の分野で日本一、世界でも12%のシェアをもっており、ほぼ全ての製造業に製品を提供している企業、「ユーラスグループ」。 近年特に必要性が高まった震災復興にまつわる製品、例えばユーラスグループの「ジャンピングスクリーン」は、振動モーターの力で波動しながら粉粒体を大きさごとにふるい分ける機械で、東日本大震災や熊本地震の被災地でがれきの処理や土地の改良に使われたといいます。 今回のカウテレビ企業密着ドキュメントでは、世界に誇る技術力を持つ会社、ユーラスグループに潜入し、そこで働く社員の働きがいと同社の躍進の秘密に迫りました。

ヤフクオクドームの屋根も手がける、国内シェアNo.1のものづくり企業

ユーラスグループは、メーカー機能を持つ『株式会社村上精機工作所』と、商社と販売機能を持つ『ユーラステクノ株式会社』、そして部品供給を行う『株式会社小早川鋳造所』『エヌティ工業株式会社』の4社で構成されています。

ユーラスグループが扱う製品は大きく3つのグループに分かれています。

1つめは、振動発生機の「ユーラスバイブレータ」。振動でモノを運んだり、ふるい分けたり、あるいは細かく砕くなど、様々な工場や産業に使われています。国内における振動モータのシェア60%と圧倒的な1位であり、また、国内外への累計出荷台数は90万台を超えています。その顧客は世界中に広がっていて、例えばダイヤモンドで有名なデビアス社もダイヤの採掘にユーラスバイブレータを使っています。

2つ目は「産業用ブレーキ」。ヤフオクドームの可動式屋根のブレーキや、港湾物流に欠かすことのできないクレーンモータのブレーキなども同社の製品です。

その他にも、振動を応用した製品として、粉砕機、ふるい分け機、充填機、輸送機、供給機などを手がけています。

ユーラスグループのグランドデザインは「日本のものづくりの盛隆」事業を通じて、我が国が誇る製造業を未来に残していくことを働く使命としています。

指先の感覚が研ぎ澄まされた職人・粉粒体のプロフェッショナル

ユーラスグループ本社にある粉体エンジニアリングセンター・通称PEC。ここでは鋳物用の砂を細かく砕くための粉砕機のテストが行われます。PECで働く岩田さんは、粉粒体のエキスパートです。例えば、粒状の物体を粉にしたり、大きさごとにふるい分けたり、運んだりなど、粉粒体を自在に操ることができます。なんと、岩田さんは指先の感覚だけで粉のサイズを見極めることができるといいます。

岩田さんにユーラスグループでの働きがいを聞くと、技術者としての向上心や探究心がくすぐられると語っていました。

岩田さん:「成形するとか化学反応を起こすことは工場全般に必要なプロセスの1つが粉体だと。真似できない技術を持っていることが誇りです。」

設計から納品まで一貫して携われるユーラスグループの設計士

技術グループの清水さんの仕事は、お客さまの要望を元に、社内にある様々な機械の中から最適な機種を選定して設計図を作ったり、そうした機械のサンプルテストを行うことです。取材したこの日は、ドイツの企業が設計した、ふるい分け機「ジャンピングスクリーン」の設計図を日本の企業向けに微調整しているようです。

清水さん:「複雑な構造の部品の図面を一から書くんです。完成した時の達成感があります。」

一般的な製造業では、効率を重視するために設計部門と製造部門が分業されている企業が多いものですが、ユーラスグループでは、設計に携わった社員が、組み立てやサンプルテストから納品後のフォローまで一貫して担当するという特長があります。

清水さんは自分が携わった製品の完成、納品を見届けられるこの仕事に喜びを感じるといいます。

清水さん:「ユーラスグループでは、設計も製造もお互いが密接に関わっていて、製作の過程を見ていられるので、製品1つ1つに愛着が持てます。」

日本で自給自足できる資源・石灰を使った技術を広める営業マンの仕事に密着

数ある天然資源の中で日本が自給できる数少ない資源の一つが、石灰です。全国で年間およそ1億7000万トンが生産され、鉄鋼や化学・土木建築、さらには農業など様々な産業で利用されています。そうした石灰メーカーの1つ、宮城県登米市の宮城石灰工業にも、ユーラスグループの機械が導入されています。

ユーラスグループ営業担当の太田さんは、取引先である工場長の相談役です。太田さんは、この仕事を通して社会の役に立っていると誇らしげに語ります。

太田さん:「石灰も一般的には、ライン引きとかのイメージしかないと思うんですが、実はコンクリート、鉄、ガラスを作るのも全部石灰が使われていると分かった上で営業をやっているとやっていると非常にやりがいがあるなと思っています。なかなか人目にはつかない陰の仕事なんですけど、石灰が色んなところに使われていると分かってくるとすごく楽しい。」

取材したこの日、2013年に入社したもうひとりの営業担当・髙野さんが、茨城県にある工業用機会メーカー・安藤スクリーンと打ち合わせしていました。医薬品メーカーに水処理タンクを共同提案に向けた打ち合わせのようです。

ユーラスグループは、「物を仕入れて販売する」という一般的な商社ではなく「創造的技術商社」というコンセプトを掲げています。製品の価値や機能に、自社の技術力を加えて提供できるのが強みです。

髙野さんは、1台数千万円もの製品を自ら提案しお客さんに喜んでもらえることがユーラスグループの営業の醍醐味だといいます。

髙野さん:「商社って聞くと「モノを買って売るだけ」というイメージがあるかもしれませんが、実際は我々の持つ技術力を、モノの売り買いの中でセットにして売ることが出来る。そういうことでウチにしかできないモノがあるのがユーラステクノの強みですね。実際に発注を頂いて、無事に納品して『使い勝手がいい』と言ってもらえるとやっぱり嬉しいです。」

『全員参加型経営』、『主体性を発揮する文化』、ビジョンは『振動モーターで世界一になろう』

ユーラスグループの橋本尚二社長は、企業理念である「いのちある経営」についてこう語ります。橋本社長は「全員参加型経営」と「主体性を発揮する文化」を大切にしているといいます。

橋本社長:「『全員参加型経営』や『主体性を発揮する文化』。これを達成するために『関係性を重視、働きがいのある職場、人材育成』というものに力を注いでいます。仕事は失敗してもいい。それで人が育てば、そちらの方が大事なんだと。」

こうした経営方針の結果、経常利益率なんと12%(2017年時点)という強靭な経営基盤を持つ会社にまで成長してきました。これから、ユーラスグループはどんな人物を求めるのでしょうか。

橋本社長:「素直で、明るく、夢が持てる人を求めています。『素直』というのは、人が成長するためには素直であることを僕らはとても大切に考えています。それから『明るく』。仕事は時として厳しいものですから、どんな時でも幸せだと思える明るい人がいいですね。そして最後は『夢が持てる人』。そういう人を当社では求めています。」

最後に改めて、ユーラスグループの働きがいについて社員さんに伺いました。

「このような事業を確立できている会社は多くはない。そういう会社にいて、ここから先更にどんなことができるかということを考えるのが楽しみです。」

「自分がレーザーで刻印した銘板がで出来上がった製品に添付しているのを見ると、『これがお客様のお手元に届くんだな』というのがやりがいに繋がっています。」

「会社の中枢なので、我々が動かないと会社が成り立たないくらいの気持ちでやっています。」

モノづくりの町・北九州から、日本各地、そして世界にその名が轟く、ユーラスグループ。

橋本社長が見据える、歩みの先にあるものとは?

橋本社長:「当社は『振動モーターで世界一になろう』というビジョンを掲げています。それに向けて全社員が一丸となって、毎日いろんなことに取り組んでいます。日本が持っている技術・人の素晴らしさを未来へ残すということはとても価値ある使命だと考えています。」