五洋食品産業株式会社

五洋食品産業株式会社の会社情報

会社名 五洋食品産業株式会社
代表者 代表取締役社長 舛田 圭良
所在地 福岡県糸島市多久819 番地2
事業内容 冷凍洋菓子の製造
公式サイト goyofoods.co.jp

五洋食品産業株式会社のポイント3つ

  • 日本生まれの新ジャンルスイーツ「冷凍ケーキ」で世界に挑む
  • 商品アイデアはどこから?新作ケーキの開発舞台裏に潜入
  • 女性幹部も活躍。社員のライフイベントに寄り添う会社

冷凍ケーキで世界に挑む!【五洋食品産業】

食中毒、異物混入、食品偽装…食に対して改めて安全・安心が、問われている昨今。そんな中、アメリカ・NASAが、宇宙食の安全を守るために使っているという「非常に高い衛生管理手法」に対応している食品メーカーが、福岡県糸島市にあります。五洋食品産業株式会社。「冷凍ケーキ」という新ジャンルで、今、成長を遂げている会社です。ブランド名「スウィーツストック」で注目の五洋食品産業に潜入しました。

3つの強みを持った五洋食品の冷凍ケーキとは

そもそも皆さんは、冷凍ケーキというものをご存知ですか?冷凍といっても、凍ったまま食べるわけではありません。渋皮栗モンブラン、あまおうのレアチーズケーキ、クワトロベリートルテ・・・食べる前に解凍して、実際にはフレッシュケーキと同様の食感が楽しめるデザートなんです。この冷凍ケーキ、まだ一般には認知度が高くはありませんが、実は、すごい実力を持っているんです。冷凍ケーキの強み3つを、ご紹介します。①衛生的工場で冷凍された状態で消費者の元まで届くので、途中で異物が混入したり、付着するリスクが最小限になります。


舛田社長:「即、急速凍結をかけますので、菌が繁殖するタイミングを与えない。菌が繁殖する前に時間を止めて出荷する。」


②賞味期限が長く、エコ
冷蔵のケーキの賞味期限が数日間であるのに対し、五洋食品のケーキはマイナス18度以下の冷凍庫で保管すれば賞味期限が365日。これなら、廃棄が少なくなるので、エコの観点からも、いいですね。

③保管が便利
アイスクリームのように冷凍庫で保管できるため、いつでも、好きな時に、解凍して食べることができます。

これらの「冷凍ケーキ」を手がけているのが、五洋食品産業です。同社は、福岡県糸島市に本社を構える従業員150名あまりの「冷凍ケーキ専門のメーカー」です。2012年にTOKYO PRO Marketに上場。美味しいケーキを食卓へ届けるために、日々活動している会社です。

ケーキの品質を保つための急速凍結の技術と、手作業の職人技

五洋食品が作る冷凍ケーキの中で、最大の売れっ子商品がこちらのベイクドチーズケーキです。その生産個数は1日になんと4万食といいます。生産工程を見ていきましょう。
①まず、スポンジケーキの生地を作ります。小麦粉や卵・バターなどを配合します。
②出来た生地を焼き型に注ぎ、こんがりキツネ色に焼いていきます。
③スポンジをスライスして、上からチーズの生地を注ぎ、層を作ります。
④そしてオーブンで蒸し焼きにして、こんがり焼き色を付けます。チーズの生地が焼けて、いい香りがしてきたら焼きあがりです。
⑤出来上がったホールケーキを、カットします。8等分や10等分、12等分など、用途に応じたサイズにカットできます。
⑥そして、ここからが、最大の差別化のポイント。ケーキの品質を保ちながら冷凍できる、特殊な急速冷凍庫に入れます。冷凍ケーキの最大の特徴が『急速凍結室』で、できたケーキを凍結する作業です。『急速凍結室』で凍結することにより、ケーキの品質を落とさずに、短い時間で凍結することができます。
⑦冷凍されたケーキは最後に、箱詰めされて、出荷されていきます。

ところで、五洋食品では、手作業にもこだわっているそうです。例えば、スポンジ生地の充填では手作業の方がスポンジがふっくら仕上がるそうです。また、モンブランのクリームを搾るのも1つ1つ手作業です。すごいスピードで1個1個搾りながらも、ほとんど均一な量になっている。ここに、匠の技があるようです。

企画開発部部長・井上さん:「1回冷凍をかけると、食べようと解凍した時に柔らかいクリームだとダラーッと溶けてしまう。なので冷凍ケーキのクリームは解凍してもしっかり形がキレイで、食べたときに食感がいいクリーム作りを心がけています。冷凍ケーキを心待ちにしている人の気持ち、ワクワク感、開けた時の喜びとか…『美味しいね』って言いながら食べている姿を想像しながら作ることを心がけています。」

NASAが、宇宙食の安全管理のために編み出した「HACCP」で徹底した衛生管理・品質管理

五洋食品では、食の安全・安心を守るために、非常に高い衛生・品質管理の手法を採用しています。それが、アメリカ・NASAが、宇宙食の安全管理のために編み出したという「HACCP」と呼ばれる衛生管理の方法です。

「HACCP」は、従来のように、工程の最後で完成品を検査して合否を判定する品質管理の仕方ではなく、生産工程の最初から最後まで各所に点在しているリスクを条件管理・モニタリングすることによって、商品の品質を担保する手法なのだそうです。

また、作業員のユニフォームにも工夫があるそうです。担当エリアや役回りによって、制服や制帽の色を変えることで、人が交差することで起きる汚染を未然に防いでいるそうです。とにかく徹底した衛生管理・品質管理が五洋食品のさいだいの特徴です。

五洋食品のケーキのブランド名は「スイーツストック」。呼んで字のごとく、保管することができるスイーツという意味です。現在はなんとOEMも含めて250種類以上のケーキを生産しているそうです。一体その数々の商品アイデアはどこから来るのか尋ねると、ある会議を見せてくれました。その会議とは毎週のように開かれるという各部署から代表者が集まっての企画会議です。取材したこの日も、3種類の新作ケーキの試食が行なわれていました。営業担当者や生産、開発担当者など、部署を超えて集まった社員たちが、お客様に喜んでいただく商品を生み出そうと、日々、知恵を出し合っているのです。営業部・勝見さん:「自分が美味しいと思わないことには、お客様に勧められない。みんな同じ考えのもとでやっています。ベイクドチーズケーキに関しては、お客様から美味しいと言っていただけているので、そういう商品を持っている商品力があるだけでも違うし、もっともっと増やしていきたいなと。冷凍ケーキを知らない人たちにもっと浸透させていきたい。」

「お客様に喜んでもらいたい」という想いは、「QC活動」と呼ばれる品質向上の取り組みとして社内に息づいているんだそうです。こうしたスタッフの情熱こそが、五洋食品の商品力を支えているんですね。

新しい食文化「冷凍ケーキ」を世界へ。五洋食品の未来展望

「冷凍ケーキ」という新しい食文化。その未来について、社長の舛田圭良さんに話を伺いました。舛田社長:「デザートはその時その時で小さな幸せを感じていただける、大変素晴らしい食べ物だと思っています。これを日本国内また海外も含めてより多くの方々に、小さな幸せではあるけれども多数の方々に知っていただいて、大きな幸せをお届けすることをこれからも頑張っていきたいと思っています。」

「冷凍ケーキ」という新しいデザート文化を、日本中に、そして世界に広めるという、大きな夢を抱いている五洋食品産業株式会社。その歩みは、まだ始まったばかりですが、その文化はお店や食卓の上で、着実に存在感を増しているようです。