会社名 | 学校法人なぎの学園 |
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代表者 | 園長 薙野 修二 |
所在地 | 福岡市南区花畑2-48-31 |
事業内容 | 保育業 |
従業員 | 100名 |
公式サイト | hanahata-youchien.com |
少子化が進み経営に苦しむ保育園や幼稚園が出てくる中、一般的な園とは異なる手法で600人を超える園児を集めているのが、学校法人「なぎの学園」。 今回のカウテレビ密着ドキュメントでは、福岡市で異彩を放つ教育方法が注目される「なぎの学園」に密着し、保育士や幼稚園教諭の働く喜びや苦労を取材しました。
なぎの学園では協調性・自制心、思いやり・やり抜く力といった『非認知能力』の教育を重要視しています。職員それぞれが取り組んでしていることもあれば、研修でも、他とは違った取り組みが行われているようです。
勤務9年目の保育士池松さんは、音楽で子どもの心を安定させる「リトミック」のレッスンをしていました。池松さんは短大卒業後、働きながら独学でリトミック講師の資格を取ったといいます。
池松さん:「リトミックは音楽的教育、音楽を通して、友達とコミュニケーションや集団生活での活動を教えていかないといけないと思っています。」
子どもの生育において、今、注目されている概念が「非認知能力」と呼ばれるものです。認知能力が紙のテストで測ることのできる、学力・IQ・記憶力などであるのに対し、非認知能力とは、協調性や自制心、思いやり、やり抜く力などといった、テストではなかなか測れない能力を指します。
なぎの学園では、幼児期にこの非認知能力を鍛えることが、その後の人格形成に大きな影響を与えるという教育方針を掲げ、その実践のために3つのことを大切にしています。それは、子どもの「自律・自発・思いやり」。
自律心を育てるためには、子どもが自分で決めるまで待ってあげることが大事です。自発は、失敗を許してあげることで、子供がまた挑戦しようとする自発心が育まれます。そして思いやりは、喜びを共感する心を育てることだといい、嬉しいという気持ちの共感があってこそ、痛みや悲しみへの共感が育つと言います。
薙野園長:「今言われているのは非認知能力。『粘り強さ・協調性』ここをしっかり身に付けておけば、今できなくても将来伸びます。大人になった時に『自分でやってみたい』と自発的な人になる基礎は幼少期に始まっています。」
また、職員にとって、「保護者に説得力のある教育の話をするのは難しい」と感じる人も多くいます。そこで、なぎの学園では、教育理論に基づいた研修を行うことで、感覚的でなく理論的に説明できる保育を提供しています。
研修制度について職員の渡邉さんに伺いました。
渡邉さん:「前は『私だったら』という経験を元に話していたが、それは良くないことに気が付くようになりました。『私はこうだけど、他ではどうなのか』を調べて自分の経験と交えて話せるようになりました。」
保育業界では、結婚し、子どもができると担任を続けることが難しいと保育士が退職する現状があります。それに対し、なぎの学園では、若いうちに管理職を経験することで結婚・出産後も子育てしながら、管理職として働けるよう『働き方改革』に取り組んでいます。
入社6年目の後藤さんは短大卒業後、幼稚園・保育園を経験し、25歳という若さでマネージャーを任されています。保育の現場に入りながら、職員の業務管理や、申請書類の作成、さらには職員研修や塾の運営など、園全体の幅広い業務を担当しています。いわば、一般企業の管理職のような能力を身に付けていると言えます。
後藤さん:「『楽したい』という気持ちも無いわけではないのですが、楽して将来どうなるの?と考えた時に、自分で何かスキルを持っておかないと生き残っていけません。結婚して、家庭を持った時にいろんなことがある中で、女性として何ができるのか。子育てをしながら、自分でしっかり働いて子どもたちを養わないといけません。いろんな選択を考えながら、今できることは何かを考えています。」
薙野園長:「『この人がいないとこれができない』これでは休むことができません。分業制でなく、全員が同じレベルで同じことをできるようにしておきます。一人で抱えこまないという仕事の仕方を進めています。」
改めて、後藤さんになぎの学園での働きがいを語ってもらいました。
後藤さん:「子どもたちの心の教育のために。何かの縁で子どもたちとも出会って、先生たちとも出会っているので、人生の一部で関われた喜びがあるので、子どもの人生に関わって、大人になった時に少しでも『先生がああいう風に言ってくれたから、今頑張れてる』と思ってくれたら嬉しいなと思います。」
独自の教育理念を掲げ、日々園児と、そして保護者と向き合う教育に邁進している、なぎの学園。最後に、薙野園長に話を伺いました。
薙野園長:「私たちが今考えているのは、幼稚園、保育園を超えて幼児教育の重要性を全教育過程に伝えていくことです。全教育課程とは、小・中・高・大学、社会人までどれだけ幼児期が重要なのかを伝えていきたい。人的環境を育成する教育機関になりたい。」