【例文】内定保留の方法:企業もあなたも気持ち良くいるために

内定保留の仕方を例文とともに見ていきましょう。

内定保留というのは、一概にネガティブなものと捉えられるものではありません。 企業もあなたも気持ち良く入社を迎えられるように、内定保留のルールとマナーを見ていきましょう。

内定保留を伝える前に

「今すぐ決められないから」と慌てて電話をして、内定保留を伝えてしまうのは、あまりいい方法とはいえません。連絡をする前に、以下のことをしっかりと考え、準備しておきましょう。

なぜ内定保留したいのか考える

なぜ内定を保留したいのか、あなた自身がしっかり把握していないと企業には伝えられません。うまく伝えられないことで、企業側が「もしかして内定辞退したいのかな」と勘違いしてしまうことも考えられます。

トヨタ式『なぜなぜ分析』というものがあります。これは、「なぜ?」を5回繰り返し問いかければ、物事の本質に行き着くという考え方です。これにならって「なぜ内定保留したいのか?」と自分自身に繰り返し問いかけてみましょう。そうすることで、それまで表面的にしか見えていなかった理由の、本質にたどり着くといわれています。また、一度紙に書き出してみるのもいいかもしれません。

本当の内定保留の理由を正直に伝える

内定保留の理由は、本当のことを伝えましょう。

「第一志望の企業の選考がまだ終わっていないから」

「多くの内定をもらって、どこにするかまだ決断しきれていないから」

「本当に自分がやりたいことがわからなくなった。進学も視野に入れている」

「ここで内定承諾するのは不安がある」

上記は、すべて間違った理由ではありません。あなたがきちんと自分自身の将来を見つめて出てきた理由なら、それを正直に伝えていいのです。

また、企業に対して不安があったり、聞きたいことがあったら、まとめておきましょう。内定保留の連絡をする際に「実はこういう不安があって」と切り出して質問をすれば、企業も快く対応してくれるはずです。

内定が出た時期に合わせて期限を決める

保留した内定の返事をいつまでにするのかは、自分で決めることです。第一志望企業の結果が出るのが1ヶ月先なら、そこまで待ってもらえるか交渉する必要があります。

内定が出た時期によって返事を待ってもらう期限の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。

▼大学3年生

日本経済団体連合会(以降経団連)が出している規定(「採用選考に関する指針:http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/015.html)によると、選考が始まるのは大学4年生の6月からです。しかし、企業の中には大学3年時から選考をスタートさせ、早期に内定を出す企業もあるようです。

もし3年生で内定が出てしまった場合、他の企業の選考がある程度進んでから返事をするのであれば、大学4年の5~6月ごろまで待ってもらう必要があります。

企業側も早期の内定通知だとわかっているはずなので、自分の就活が落ち着く時期を見極めて内定保留のお願いをしましょう。

▼大学4年生の3~5月

3月から説明会を兼ねた選考を始める企業では、ちらほらと内定が出てくる時期です。しかし、この段階であっても経団連の規定よりも早期になります。大手企業などは6月選考解禁を守っているところもあるので、その結果を待つなら4ヶ月ほど待ってもらう必要があります。

選考の結果を待ちたい企業がある場合は、再度保留の時期を伸ばさないでいいように、いつぐらいに結果がわかるのか確認しておきましょう。説明会の時点で「内定はいつごろ出ますか?」と聞いておくのがいいですね。

▼大学4年生の6月~7月

大手企業は、10月の内定式に向けて内定者を出していきます。そのため、大手はその他の企業より内定出しが遅い傾向があるといえます。一方大手企業以外の企業では、内定が出揃う時期ですので、1~2週間先の返事で良いでしょう。しかし、他に選考を受けている企業の結果がわかるのが1ヶ月先なら、それまで待ってもらえるよう交渉しましょう。

一番良くないのは内定通知を放っておき、気づいたら返事の期限が切れていたということです。選考や内定が出るスケジュールを、逐一、確認しておくようにしましょう。

▼大学4年生の8月~9月

秋になると内定式が始まります。企業は内定者リストを作り、内定者を招待しなくてはなりません。そこで内定通知があった時に内定式の予定を確認して、自分の選考スケジュールと照らし合わせながら期限を設けましょう。

内定式は10月1日以降行われることが多いようです。なるべくなら、9月末までに返事をしておくようにしましょう。

▼大学4年生の10月以降

そもそも選考をする企業がぐっと減ります。10月までに内定辞退者が出て追加で選考をする企業などが、秋採用を始めます。

あなたが内定を保留している間に、次点で内定を出せた学生がいるかもしれないことを覚えておきましょう。返事を先延ばしにすることは、企業にとっても他の就活生にもメリットはありません。一週間以内に期限を設定するなど、なるべく早く返事をするようにしましょう。

【例文つき】内定保留を伝えるのは電話&メール

内定保留を伝える方法には、電話とメールがあります。どちらかではなく、電話とメール両方で伝えるのがいいでしょう。

内定保留を決めたらすぐに連絡すること

内定保留を決めたら、すぐに連絡しましょう。迷っている間に、気がついたら返事を出すのを忘れていたとなったら、もったいないですよね。また、企業側も期間中に返事が来ると思って準備しているので、内定保留する場合はなるべく早く連絡しましょう。

(例)内定保留をメールで伝える

社会人同士の場合、メールを送った後に「きちんと届いていますか?」と確認の電話をすることが多いです。何かをお願いする時は、メールと電話はセットだと考えましょう。

以下に、電話をする前に送るメールの例文を記載しておきます。

(例文)

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はテレ株式会社

人事部 金子様

お世話になっております。

はたらく大学文学部人文学科 4回生の服部周平です。

先日は採用試験のお時間をいただき、ありがとうございました。

また、内定通知をいただきましたことも、重ねて感謝申し上げます。

この度、内定のお返事の期限について

ご相談させていただきたいことがありましてご連絡差し上げました。

つきましては、お電話にてお話したく思いますので、

金子様のお手すきの時間をお教えいただけますでしょうか。

それでは、よろしくお願い致します。

はたらく大学文学部人文学科 服部周平

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(例)内定保留を電話で伝える

メールで電話のアポイントが取れたら、決められた時間に電話をしましょう。

大切なのは、内定保留したい理由を正直に明確に述べることです。相手は社会人なので、緊張してしまうかもしれませんが、電話口ではハキハキとした受け答えをしましょう。話を聞いてあげようと相手に思わせる話し方・内容を、自分なりに考えておくといいでしょう。

(例)

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こんにちは。はたらく大学4回生の服部周平です。

【相談のお礼】相談のお時間を取っていただきありがとうございます。

【用件】メールでもお伝えしましたように、内定のお返事の期限についてご相談したいことがあります。実は、内定のお返事をする期限を延ばしていただきたいと考えております。。

【内定保留の理由】理由は、他の企業が選考途中であるためです。企業の選考を途中で辞退するという、中途半端なことをしたくないという気持ちがあり、すべてを終えてから決断したいと考えております。

【期限の提示】内定通知のお返事は、2週間後の◯日までにいたしますので、それまでお待ちいただけますでしょうか。

【お礼】(相手の返事を待ってから)ご検討いただき、ありがとうございます。またご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。

それでは、失礼いたします。

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内定保留を電話で伝えるコツ

内定保留を電話で伝えるコツは、以下の2点です。

・何を話そうとしているのかを最初に伝える

・内定保留したい理由を明確に伝える

考えながら話してしまうと、ついダラダラと長い文章になってしまい、「結局何がいいたいの?本当の理由はなんなの?」と思わせてしまうので、短い文章で簡潔に伝えるようにしましょう。

内定保留では自分の言いたいことだけを伝えない

電話は相手がいて成り立つものなので、相手の相槌を打つタイミングを作ってあげることも大切です。トークスクリプトを読み上げているだけでは、内定を保留してほしい気持ちが伝わりません。