金融業界は銀行や証券だけではない!機能や役割など把握しよう!


みなさんは金融業界と聞くと、どのようなイメージがありますか?
多くの人が銀行や保険の会社をイメージするのではないでしょうか。

でも実は、金融業界の業種はそれだけではありません。

「業界研究を進めている」
「金融業界に興味がある」

今回は、そんなあなたに役立つ就活レポートです。
金融業界のおおまかな全体像を紹介します!

意外と広い!金融業界

まずは6つの金融機関を見ていきましょう!

銀行

銀行はおもに、「預金」「貸出」「為替」の業務を行っている金融機関です。

預金:お金を預かり、それを管理する業務

貸出:預かったお金を運用し、資金を必要としている人へ貸し出すこと

為替:振込や送金、口座振替など、現金を移動すること無くお金のやり取りをすること

さらに規模や融資目的によって、「メガバンク」「地方銀行」「信用金庫・組合」と分かれています。

証券

証券会社は、おもに「株式売買の仲介」を行っています。

「リテール」「リサーチ」「インベストメントバンキング」といった業務があります。

リテール:個人の資産家に営業を行う

リサーチ:金融経済や株式の動向をチェックし社内に情報共有を行う

インベスト面とバンキング:法人を相手にM&Aや株式公開・資金の調達を手助けする

投資銀行

投資銀行は証券会社に似ていますが、個人との取引はしません。

おもに、企業が資金調達のために発行する株式や債券を一時的に買取り、投資家に向けて販売する金融機関です。その他にも、株式公開の支援を行ったり、M&Aに際してアドバイザリー業務を行ったり、企業の財務を支える業務をしています。

投資銀行といった場合は、ゴールドマン・サックスやJPモルガンなど、外資系の企業を指すことが多いです。日本ではメガバンクや大手の証券会社が似た業務を行っています。

保険

保険会社はリスクに備えるための「共有の準備財産」を管理する金融機関です。

「共有の準備財産」とは、多くの人が少しずつお金を出し合って、大きな損害が生じたときでも補填が受けられるようにするための準備金のことです。

備えるリスクの種類によって、いくつかに保険形態が分かれています。

生命保険:ヒトの生死に関わるリスクに備える

損害保険:モノや財産に関わるリスクに備える

第三分野の保険:ケガや病気のリスクに備える

リース

リース会社は、企業からの委託を受けて代理でモノを購入し、それを数年に渡って貸し付ける金融機関です。

学生にはあまり聞き覚えのないリースですが、企業においては設備投資の手段として一般的です。高価な機材を自社で購入するにはまとまった資金が必要ですが、リース会社を間に挟むことで、毎月少額づつの支払いで済ませることができるからです。

モノを貸し、その使用料に上乗せして金利を得ることから「物融」とも言われています。

信販/クレジット

信販会社は主に、顧客がクレジットカードなどのサービスを利用して物を購入した際に、その代金を立て替え払いする金融機関です。他に、自動車ローンや学生ローンなどの融資を行ったり、銀行の個人向けローンに信販会社が保証を付けたり、といった業務も行っています。

金融機関の役割とは?

金融機関は、「お金が余っている人」と「お金を必要としている人」をつなぎ、資金を円滑に循環させる役割を担っています。上で紹介した6つの金融機関も、資金の規模やつなぎ合わせる対象の違いはあれど、資金の循環に貢献しているのです。

この資金の循環に関わる金融の機能を3つ、紹介します!

(1)金融仲介機能

金融仲介機能とは、貸し手と借り手の仲介を行うことを言います。

たとえば銀行であれば、企業や家計から集めた預金を、今お金を必要としている企業や家計へ融資する、といった業務がこれにあたります。

企業がまとまったお金を必要としているとき、資金が余っている人に声をかけて直接借りるのはコストも費用も掛かります。また直接お金を貸す側も、貸したお金が返ってこないかも、というリスクを負わなければなりません。

この間に金融機関が入り、貸し手と借り手のニーズをつなぎ合わせることで、資金循環の円滑化が図れるのです。

(2) 信用創造機能

信用創造機能とは、銀行が預金と貸出を繰り返すことで、預金通貨を増やしていける仕組みのことを言います。

銀行に預けられたお金は、そのすべてがすぐに預金者へ払い戻されるわけではありません。
みなさんも自分の財布に全財産を入れておかないですよね。必要な額だけ財布に入れて、残りのお金は銀行に預けておく人が多いのではないでしょうか。

同じように、お金を預かった銀行は、払い戻しがされそうな額だけを支払準備金として手元に残しておき、それ以外はお金を必要としている人のところへ貸出すことができるのです。

たとえば預かったお金の10%を支払準備金に充てるとしましょう。
A銀行が1,000万円を預かったとき、準備金は100万円です。
残りの900万円は、設備投資の資金を必要としているX社へ貸出すことができます。
X社は借りた資金をもとに、Y社から900万円で製造用機械を購入したとしましょう。
900万円を得たY社は、そのお金をB銀行へ預けることにしました。
900万円を預かったB銀行は、10%の準備金90万円を手元に残しておき、残りの810万円は他の企業へ貸出せるようになるわけです。

この時点で、A銀行とB銀行の預金額の合計は1,900万円です。
最初に預けられた金額は1,000万円でしたが、動いているお金はそれよりも多くなっていますね。

900万円を借りて機械を購入したX社は、それでビジネスを営みA銀行へ借金を返済する必要があります。この900万円がいずれは返ってくることを銀行が保証しているため、このような融資の仕方が可能になっているのです。これを「信用創造された貨幣」という言い方をします。

A銀行はX社を信用してお金を貸出し、そのお金がB銀行の預金となり、またほかの会社へ貸出されることで、貨幣供給量が増加していくのです。

(3)決済機能

決済機能とは、銀行の預金口座を利用することで、現金を使わず支払いが行える仕組みのことです。
たとえば口座振替や振込、小切手などの支払い方法がこれにあたります。
現金を直接運ぶ必要がないため労力やリスクが少なく、短時間で資金のやり取りが行えます。この機能のおかげで経済活動がより効率的になっているのです。

間接金融と直接金融

「お金が余っている人」と「お金を必要としている人」をつなぎ、資金を循環させる仕組みは2種類に分けられます。

間接金融

間接金融とは、貸手と借手の間に仲介者が入る資金の流通方法のことを言います。
預金者から預かったお金を、必要としている企業や人へ融資する銀行はこれにあたります。

間接金融の特徴として、貸手のリスクが少なく、リターンも少ないことが挙げられます。
皆さんが銀行に預けているお金は、企業などの借手に融資されていることが多いです。
この借手がお金を返せなくなってしまった場合でも、皆さんの預金額が減ることはありません。このリスクは仲介している銀行が負っているからです。その代わり、利息で得られるリターンも少なくなっています。

直接金融

直接金融とは、貸手が借手に資金を直接渡す流通方法のことを言います。
貸手が株式や社債を購入し、借手が資金を得る方法がこれにあたります。

直接金融の特徴は間接金融の逆で、貸手のリスクが高く、かわりに高いリターンを望めることが挙げられます。証券会社は直接金融に区分されていることに注意しましょう。「株式売買の仲介」を行っていますが、得ているのは仲介手数料であり、リスクを負っているのは株式を購入した貸手です。

自分が目指している業種がどちらに区分される金融機関なのか、しっかりと把握しておきましょう!

業界研究の進め方アドバイス

なんとなく金融業界の全体像がつかめてきましたでしょうか?

自分が気になる業種だけでなく、幅広く知ることで、それぞれの違いや良さが見えてくるのです!

業界研究は念入りに!

これまで紹介したように、金融業界といっても範囲が広く、それぞれに特徴があります。
専門的な知識が求められる業界なので、面接で金融知識が問われることもよくあります。
入社したあとも継続的な勉強が必要になるため、業界研究の時点で知識を深めておくに越したことはありません。

自分のやりたい事と合致させるためにも、念入りな業界研究が重要です!

OG/OB訪問をしよう

色んな情報を集めることよりも、いちばん効果的なのは実際に働いている人から話を聞いてみることです。

実際に金融業界で活躍している先輩にOBOG訪問をしてみましょう。
仕事に関するやりがいや苦労話から、就活で必要なことなど、有益な情報が得られるはずです!

インターン参加で雰囲気を知ろう!

同じ業種でも、会社によって雰囲気が大きく変わるのが金融業の特徴です。
会社とのミスマッチを防ぐためにも、複数のインターンに参加して自分にあった企業探しを行いましょう!