売り手市場・学生優位の就職活動と言われている昨今ですが、やはり学生にとったら「内定をもらえるだろうか」「就活がうまくいくか」など就活に対する不安がありますよね。第一志望企業に早く内定をもらって就活を終わらせたいというのが本音だと思います。
しかも、2020年は新型コロナウイルスにより、3月の合同説明会や学内説明会が相次いで中止に…更に不利な立場にたたされていると感じている文系学生も多いはず。
今回は「文系学生の就職は理系学生より不利」という不安に加えて、この状況でどうやって企業を知ればいいのか…と心配しているあなたにぴったりのお話をご用意しました!
就職には理系学生が有利で、文系学生が不利だという噂がありますが、実際はどうなんでしょうか?
「文系でも就職はうまくいくの?」と不安を抱える文系学生に向けて、文系と理系の就活の違いや、文系学生を求める業種・業界を見ていきましょう。
結論から言うと、文系学生の就職先はちゃんとあります。選ばなければある、といったネガティブなものではなく、文系の学生を積極的に採用したい企業は多く存在するのです。
文系・理系の区分は、学んでいる内容であって、学生本人が優秀かどうかを判断するものではありません。「将来こういう道に進みたいから文系・理系」と選択して学んでいるものです。
文系か理系かで就職活動が左右されるものではなく、企業側が見るのはあなた自身です。学生時代に頑張ったことや打ち込んだことなど、あなたが一生懸命になれることを経験しておくことの方が、就職活動では大切になってきます。
就職のしやすさや有利さに文系・理系が関係ないことをデータからも見ていきましょう。
※「2018年卒マイナビ大学生内定率調査」より作成
このグラフは、大学4年生・大学院2年生を対象とした3月~7月の内定取得率を文系・理系別にまとめたものです(「2018年卒マイナビ大学生内定率調査」より作成)。3月~7月全ての月を通して、文系学生の内定取得率よりも、理系学生の内定取得率の方が10ポイントほど上回っています。就活が始まってすぐは、理系学生は内定を得やすいというのが分かります。
しかし、次のグラフをご覧ください。
※産経ニュース「大学就職率、過去最高98.0% 7年連続で上昇 文系初めて逆転」より作成
これは、2018年度卒業の大学4年生の4月1日時点の文系・理系別就職率をグラフ化したものです。産経新聞によると、2018年3月に卒業した大学生の就職率は98.0%(2018年4月1日時点)。
文系・理系別では、文系が98.2%(前年同期比0.9ポイント増)、理系が97.2%(同1.5ポイント減)となっており、理系よりも文系の就職率の方が上回っています。就職活動を終えた大学4年生の4月入社時点での就職率で、文系が理系を上回ったのは調査開始後初とのことですが、このころからわかるのは、必ずしも文系は理系に比べて不利ではないということです。
つまり、早く内定をもらうのは理系学生ですが、最終的な就職率は文系・理系にさほど差はないといえます。文系と理系では内定をもらうスピードが違うだけで、「文系は就職しにくい」というのは、幻ということがわかります。
では、なぜ文系学生は理系学生に比べて不利だと思い込まれるようになったのでしょうか?
それは、文系と理系の就職活動のやり方に違いがあるからです。
文系学生の就活には、「専攻・所属している学部の研究内容と、志望企業の業務が一致している必要はない」という特徴があります。
法学部卒の学生が必ず弁護士になる必要もなければ、弁護士にしかなれないというわけでもありません。同じように、教育学部卒の学生みんなが教師になるわけではありません。
つまり、文系学生は「携われる仕事の範囲が広い」のです。
また、入社してからはどの企業も新入社員研修を準備しています。入社してからその業種について指導してもらえるのです。特に就きたい仕事の知識がなくとも、入社してから知識を蓄えることができるのです。
文系の就活は一般的に、書類選考を経て、筆記試験や面接試験へ進んでいくパターンが多いです。大体3~4回の選考の結果、内定が出ます。
また、職種は総合職・一般職と呼ばれる職種が多いようです。文系学生は、理系学生のように研究室に籠もって研究成績を出しているわけではないので、製造や研究開発の分野に就職することは難しいことはわかりますね。
一方で理系学生の就活には、「専攻・所属している学部の研究内容と、志望企業の仕事内容が関連していることが多い」という特徴があります。
4年間、または6年間の研究成果が直接就職に繋がることが多い理系では、研究成果を上げることが就活であるといっても過言ではありません。ですので理系学生の就活とは大学4年時に始まるものではなく、ゼミで研究している段階から始まっているんですね。
また、理系の就活は、理系学生向けの合同説明会が別に開催されたり、理系用の筆記試験が実施されたりするなど、「理系学生向け」の選考がある企業が多いようです。面接内容も研究報告のプレゼンであることが多く、面接回数も1~2回と文系学生に比べて少ないという特徴があります。
理系には、推薦(学校推薦、学部・学科・専攻推薦など)という制度があります。所属する学部・学科、研究室やゼミに向けて、企業が欲しい人材を求めてくる制度です。
推薦制度は、一般的な応募に比べてプレゼンや面接などの選考回数が少なく、採用に繋がる確率も高いといわれています。研究に力を入れた理系学生の特権ですね。
このように、文系学生と理系学生では、就活の進め方が異なります。文系学生が理系学生に比べて、夏時点での内定取得率が低いのは、このような理由からだったんですね。
ここからは実際に、文系学生を求める企業の業界・業種について見ていきましょう。
金融業界とは、お金のプロフェッショナル。お金に関する様々な分野を取り扱っている業界です。
銀行や保険、証券などの業種がこれに当たります。金融業界は社会的信用が高いことから、男女問わずいつの時代も人気の業界です。また、信用の高さから、家族にも安心してもらうことができるというのも魅力の一つです。
金融業界は、文系の学生が目指しやすい業界です。金融に関する専門的な知識があればそれは便利ですが、選考段階では特に知識や知見を求められることはありません。また研修制度が充実している企業が多いようです。
メディア業界は、いつの時代も人気業界です。華やかな業界のイメージがありますよね。
昨今では、某広告代理店の過重労働が問題視されるなど、過酷な労働状況が報道されています。しかしそのような報道がある中でも、メディア業界を目指す学生は根強くいます。強い志を持った学生にとっては大変な魅力的な業界なんですね。
昨今では、インターネット・SNSの普及に伴い、メディアもデジタル化に乗り出しています。刻々と変化する社会の流れにうまく対応できる、柔軟な人材を必要としています。狭き門ではありますが、文系・理系の分野にこだわらずあなただけの魅力を発揮できる業界といえます。
旅行業界には、個人向けの航空券・ホテル・パック旅行などのBtoCの分野と、法人向けの出張等をメインとした航空券等の手続きや学校の修学旅行へ向けたビジネスとBtoBの分野があります。外国人観光客が増加しているいま、語学に優れた文系学生の需要が高まっています。文系学部で学んだ語学力や文化の違いなど、力を発揮できる場面は多くあるでしょう。
また、航空業界や鉄道業界も文系学生向けといえます。文系・理系専門の知識が必須なわけではありませんので、誰でも志望しやすい業界ではあります。
「文系の職種というと、営業や事務しかないんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。確かに、文系は志望できる業界・業種が広いからこそ、何でもまかなえる営業や事務という職種が多いように感じてしまうものです。
ここでは、営業・事務以外の文系学生におすすめの職種紹介していきます。
システムエンジニアとは、システムの開発から設計、運用までを手がける職種のことです。エンジニアというと理系のイメージがありますが、実は文系・理系問わず募集している企業が多い職種です。
プログラミングや、PC系の知識があるにこしたことはありませんが、募集の段階では開かれた門であることが多いです。入社してから勉強して知識をつけていく意欲があり、システムに興味のある文系学生は求められています。
公務員・教員は文系学生ならではといえるでしょう。教育学部卒でなくとも教員資格を取ることは可能ですし、公務員に向けた勉強も理系学生のように研究に追われない文系学生だからこそできるものです。
しかし、公務員・教員ともに人気職種がゆえ競争率は高いです。目指すならきちんと勉強して臨まないと、思ったとおりにはいかないでしょう。
幅広い分野を学ぶことができる文系。それぞれの学科別にアピールできる強みを整理してみましょう。
心理学科で学んだことはどの職種でも役に立つものが多いでしょう。人の特性を分析し、知識として持っているので商談やお客さんとのコミュニケーションに役立ちます。
また、カウンセリングを学んだ学生は、商談においてのヒアリング力として強みになります。相手の話を真摯にきくことができる、相手に話を引き出させることができるというのはビジネスにおいて非常に強い武器です。
情報収集力がある経済学科や経営学科の学生は、企画・マーケティングの面で強さを発揮できるでしょう。統計や分析に優れ、情報を正しく読み取れる力があるというのは、企業にとってはメリットです。学生時代に学んだ知識をフル活用し、就活に役立てましょう。
社会学とは、研究の分野が広い学問です。社会に関することだったらすべてが研究対象となるので、興味や好奇心を持って学生時代に研究できれば自分の強みとなります。
また、社会情勢を知っていなければ研究にならないので、研究の中で自然と情報処理能力が身に付いたり、市場調査・社会調査のやり方を学ぶことができます。これは、記者などのマスコミ業界にとっては強い武器となりますし、それ以外の業界でも興味や好奇心が豊富なことはプラスになるでしょう。
3月に合同説明会で企業との出会いを予定していたあなた、冒頭でもお伝えしましたが新型コロナウイルスの感染拡大により、アナログでの接点が難しくなっているこんな状況ですが、決して諦めないでください。ピンチはチャンスにもなります。立ち上がって一歩を踏み出しましょう。今回は文系学生に見て欲しい企業紹介動画を数社ピックアップ!
「確かな医療を届ける」【株式会社アステム】
年商3600億円を超え、九州・沖縄で9位の売上規模を誇る、医療系総合商社・アステム。同社で働く営業マンは、医薬品や医療機器などの商品知識だけでなく、その学術的な裏付けや医療制度、病院や薬局の経営など、幅広い知識を備える「MC(メディカルコミュニケーター)」と呼ばれます。今回のカウテレビ企業密着ドキュメントでは、メディカルコミュニケーターと、それを支えるアステムの社員たちに密着し、地域の医療と健康を支える仕事、その社会的使命と働きがいに迫ります。
「薄い紙、厚い信頼」【網中グループ】
今、世界中でプラスチックのゴミが生態系に重大な悪影響をもたらすことが問題になっています。国連の環境総会では、使い捨てプラスチックの大幅削減が宣言されました。
こうした問題への対応として、スターバックスでは全世界で2万8000ある店でプラスチック製ストローの提供を止めると発表。その代替商品として注目されているのが、「紙でできたストロー」です。
今回の密着ドキュメントは、九州最大の在庫量を誇るという、紙の総合商社 網中グループを取材しました。
物流最前線 福岡倉庫の歴史と進化【福岡倉庫】
「物流最前線 福岡倉庫の歴史と進化」 普段何気なく私たちが手にしている商品。それらが当たり前にそこにあるためには、モノを動かし保管する、物流の役割は欠かせません。今回のカウテレビ企業密着リポートでは、九州最大級の物流企業、福岡倉庫に密着して、同社の強さの秘密や社員の働き甲斐に迫ります。
「アパレル業界に新風を!」【株式会社リンクイット】
ファストファッションやハイブランド、低価格路線に通販サイト・・・いま、アパレルの業界は群雄割拠の時代と言えます。 そんな多様化が進む業界の中で、ちょっと変わった路線で、大きく躍進している会社があるというので、取材に訪れました。 今回のカウテレビ企業密着ドキュメントは、アパレル業界に新風を巻き起こす、リンクイットの挑戦と、そこで活躍する社員たちの働きぶりに迫ります。
まとめ
ここまで、文系の学生に向けて書いてきました。「文系学生は就職しにくいのではないか?」という不安は払拭されたでしょうか?文系と理系の就活の違いを知っていれば、怖いものはないですよね。
就職活動で本当に見られるのは、卒業大学や卒業学部ではなくあなた自身です。あなた自身をアピールすることが、第一志望入社への一番の近道ですよ。
また、後半では今すぐできる企業研究として数社ご紹介しました。いくらでも企業を知る、出会えるチャンスはあります。
自ら情報をキャッチして、前へ進んでいれば必ずあなたにピッタリな会社と出会えるはずです。この危機を一緒に乗り越えていきましょう!!