株式会社 正興電機製作所

正興電機製作所の会社情報

会社名

株式会社 正興電機製作所

代表者 代表取締役会長 土屋 直知、代表取締役社長 添田 英俊
所在地 本社:福岡市博多区東光2丁目7番25号
古賀事業所:福岡県古賀市天神3丁目20番1号
海外グループ4社:中国2社、マレーシア1社、フィリピン1社
事業内容 ◎電力部門 電力供給設備に関するシステムおよび装置の製作ならびに販売 ◎環境エネルギー部門 公共・産業設備(水処理プラント設備、省エネ関連設備)に関するシステム、および装置の製作ならびに販売 ◎情報部門 コンピューターシステムやソフトウェアの企画、開発及び、その運用・保守ならびに販売 ◎電子制御機器部門オプトロニクス 蓄電システム、パワーエレクトロニクス応用製品の製作ならびに販売。株式上場 東京証券取引所市場第二部 福岡証券取引所
従業員 991名(連結) 643名(単体)【2020年6月30日現在】
公式サイト seiko-denki.co.jp

ここがポイント3つ

  • 日本産業の下支えをしてもうすぐ100年、世界に誇る技術力を持つ企業
  • 電力や水道などの社会インフラを制御&情報の技術で支える
  • 外国人材など、多様性を認める社風

社会インフラを支える縁の下の力持ち【正興電機製作所】

私たちの日常生活が毎日スムーズに営まれる背景には、電気や水道といった公共の社会インフラが、留まること無く安定的に供給されていることが根底にあります。そうした社会インフラを、縁の下で支えている技術者集団の会社が正興電機製作所です。社会の根幹を支える同社の社員たちに密着しました。

 

【正興電機製作所】5つの事業を繋ぐ「インフォメーション×コントロール=インフニティ」

株式会社正興電機製作所は、福岡市博多区に本社があります。創業は1921年、従業員数989名(連結)、日本国内と中国・シンガポール・マレーシア、フィリピン、国内外20カ所の拠点を持ち、年商200億円。全国でも指折りの高い技術力を誇る会社です。

 

正興電機製作所の事業内容。

正興電機製作所の事業は、全部で5つあります。
①電力部門
電力会社の技術パートナーとして、発電所で作った電力を送電するための、総合制御所や変電所の 監視制御システムなどの設計や管理を行います。②環境エネルギー(公共)部門
浄水場や下水処理場、高速道路やコンテナヤードなどの監視制御システムを設計・管理します。
③環境エネルギー(産業)部門
電力ユーザーである工場や病院、住宅などが、より効率的に電力を使えるようにするための、配電、受電、蓄電などの設備を設計・管理します。

④情報部門
アプリケーションの開発・運用・保守などのクラウドサービスの提供を行います

⑤電子制御機器部門・オプトロニクス事業
電子制御機器の開発や、光学技術を活用した新製品の開発を行います


こうした、5つの事業に共通するのが、「インフォメーション×コントロール=インフニティ」という合言葉です。つまり、情報と制御技術を掛けあわせて無限の可能性を生み出そうというものです。

 

九州でトップレベルのシェアを誇る、創業から100年続く世界に誇る技術力

正興電機の主力事業の1つが、電力部門です。そこで働く清水さんは、電力会社の制御システムを担当するプロジェクトリーダーとして40人のチームを率いています。

総合制御所用の自動監視制御システム。発電所で作られた電力が、それぞれの家庭に「安全に」そして「安定的に」供給されるまでを監視し、コントロールする「制御システム」。その設計から運営までを行っているのが正興電機製作所の電力部門です。

正興電機では、こうした電力供給をサポートする仕事を、1921年の創業当初から100年近く、行ってきたと言います。

土屋会長:「創業当初から電力関連の事業は始めているので、日本の産業の下支えをしてきた電力システム事業とともに当社も歩んできました。特に九州の場合は、台風などの自然災害で電力が止まることが多いですが、そういう時も自動的に復旧する。システムとしてもそうですし、メンテナンス体制としても、非常に優れたシステムが出来上がっています。」

取材のこの日、清水さんは後輩の大浜さんとシステムが設計通りに動くかどうか、動作テストをしていました。エンジニアとして、難易度の高いシステムに向き合うことが、何よりも楽しいと語ります。
清水さん:「テストしている時が一番楽しいです。作る時も楽しいんですけど、それが動いた時がなおさら楽しい。エラーなんか出てしまうとそれがまた面白い。『おおなるほど』と。正直なんですよ機械は。システムと会話しながら、独り言を言いながらやっているという人もいます。」
九州電力の総合制御所は8ヵ所あり、そのうち実に3ヵ所のシステムを正興電機が担当しています。この部門で九州トップレベルのシェアを誇ります。

正興電機製作所のエンジニア達は、”技術的に難しい課題を協力し知恵を寄せ集めながら突破していく”、そんなチームワークがあるといいます。
清水さん:「皆が集まってきてすぐに対応できる、全員の力で解決するというチームワークがあります。手分けして仕様やプログラムを調べたり、動作確認をしたり…。『現地に誰が行くか?』とかそういう連絡をバッと取り合えるのが心強いなと思います。」

 

人々の生活になくてはならない社会インフラを支える仕事

環境エネルギー部門の甲さんは、市町村などの浄水場や下水処理場に設置されている、水処理プラントの監視システムの設計をしています。河川やダムから集められた水が、家庭に届くまでに、水質をチェックしたり、浄化したりする装置です。
この仕事は、生活者にとっての「毎日の当たり前」を陰で支える、「縁の下の力持ち」です。普段ほとんど表に出ることのない仕事ですが、甲さんは、その社会の根幹を支えている、誇りと喜びを感じるといいます。

甲さん:「誰かが褒めてくれるわけではないですが、生活している方々が普通に水を使って、何の心配もなく生活していることが一番。そういったことを支えている会社であると思います。仕事をしていて『あ、社会の役に立ったんだな』と感じます。」

このように、人々の生活に、なくてはならない社会インフラをサポートする仕事。それが、正興電機製作所の魅力の1つです。

 

正興電機製作所が誇る職人技と、社員同士を繋ぐ社長の経営術

【モノづくりのスペシャリスト】

そう呼ばれる職人が、正興電機製作所には、大勢います。
まず、「溶接のスペシャリスト沖さん」。電力を制御する配電盤には溶接の技術が欠かせません。沖さんは、溶接歴20年のキャリアを持つ、社内有数の職人です。

沖さん:「ビート(溶接跡)を長くすれば長くするほど熱は伝わりやすいですね。モノができていくのが見えるじゃないですか。楽しいです。」

次に、「配線のスペシャリスト工藤さん」です。もともとは、設計者として入社したという工藤さん。モノづくりに魅力を感じ、自ら製造を希望して異動してきたといいます。工藤さん:「配線を綺麗に見せることにはこだわりがあります。」

工藤さんの軍手は指先が破れています。これには理由があるといいます。

工藤さん:「キレイにするために部品を触ったりするんですよね。そうすると擦れていくんで、破れていきますね。配線するときは一番楽しいですね。」

 

【繋ぐ化】

福重社長は、ときどき営業フロアにやって来て、社員に話しかけるといいいます。正興電機には5つの事業部があり、それぞれの営業部門は、これまで別々の場所にありました。それを、近年1つのフロアに集約したそうです。これは、福重社長が打ち出した経営方針である「繋ぐ化」の一環だといいます。

 

部署と部署を横でつなぐ、人と人をつなぐ、技術と技術をつなぐ、こうして新たな価値を生み出していこうというのがその趣旨です。
福重社長:「『あの部署はこういうことをしている。』『あそこはこういうお客さんに繋がっているよ。』『こういう新技術が出てきている。』など、部署同士のやりとりが全部繋がっていると、新製品や新たな市場になる。開発ではないんですよ。みんなが持っている技術をただ足しただけ。」

 

グローバル化のパイオニア、高度外国人材の活躍ぶり

日本企業は今、グローバル化の波の中で、いかにそれに対応するかがカギだと言われます。正興電機では、いち早く1980年から海外展開をはじめ、中国の大連や北京、マレーシアや、フィリピン、シンガポールなどに拠点を構えています。また、ここ数年は、外国人材の採用も積極的に進めています。こちらのサリさんは、インドネシア出身の社員です。
サリさん:「大学で情報科学を専攻していたので、それをこの会社で活かしたいです。会社がどんどん海外進出しているので、そこで貢献していきたい。」
サリさんのような外国人材の存在は、正興電機の社内に「価値観の多様化」をもたらしたといいます。

奥井さん:「プログラムって考える仕事ですよね。新しいことにどれだけ気付けるかが大事。全く違う方法をサリさんから聞いたりすることもあるので、新しい考え方を持ってきてくれたなと思います。」

 

正興電機では、外国人材が安心して能力を発揮できるための環境整備を進めています。たとえば、サリさんの場合は、イスラム教徒の宗教上の理由に配慮して、社内で礼拝できる環境を用意したといいます。サリさん:「人事の方が『礼拝は毎日するということなので、ここを使ったほうが良い』と言ってくれました。会社によっては非常階段でするという場合もあるので、私はこうやってちゃんとしたお部屋を使わせて頂くということがとてもうれしいですね。」

 

正興電機製作所が有する技術の強さと、社員同士の繋がり

正興電機を率いる福重康行社長です。福重社長は、もともと技術畑の出身で長く工場で働いた後、その実績が評価されて社長に就任したそうです。求める人物像について伺いました。
福重社長:「いろんな問題が起こるけども、それを全て自分の中に取り込んで、自分の成長の糧にしていく人。人のせいにしない。文系だろうと技術系だろうとあんまり関係ない。そういう人ならどんどん、入って自分を高めていけるとそう感じますね。」

 

最後に改めて、社員さんに同社における「働き甲斐」を伺いました。
「人が良いので守られてる。自分が困ったなって手を上げた時に、皆が手を差し伸べてくれる。働きやすいですよ。」
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「最初は分からなくて、先輩の手伝いとかばかりだったが、1人でいろんなもの設計するようになって、だんだんおもしろくなっていますね。」
「毎日勉強をさせてもらいながら、スキルアップできているのではないかと。頑張りたい人に、頑張る場所を与えてくれていると思っています。」
「仕事内容も充実していて楽しいんですけど、若い人も多いので、金曜日に飲み行ったりみんなでわいわいするのが。仕事以外も楽しいです。」

 

2021年・創業100周年を見据えて

インフォメーション×コントロール=インフィニティ。
「情報」と「制御技術」で「無限の可能性」を生み出す、正興電機製作所。同社は、2021年、創業100周年を迎えます。

その大きな節目に向けて、古賀事業所の敷地内に、2つの建物を新たに建設し、社員の福利厚生やお客様とのコミュニケーションを図る、取り組みを加速させています。

福重社長:「我々は『情報』を持っている、『製造技術』も持っている。これを掛けあわせたら、社会インフラを含めて無限の世界の事業に対して特別な存在になれる。国内をベースにアジアで成長するというスローガンのもと、2021年に輝いていたいと思います。」