会社名 | 増田石油株式会社 |
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代表者 | 代表取締役社長 増田 成泰 |
所在地 | 福岡市中央区大手門3-4-5 |
事業内容 | サービスステーション事業、LPガス事業、卸・産業燃料事業 保険事業、TSUTAYAやコメダ珈琲のフランチャイズ事業、太陽光発電・電力販売事業 |
従業員 | 正社員 125名 従業員数 511名 (平成30年4月現在) |
公式サイト | masudag.co.jp |
ガスや石油などの安定的なエネルギー事業と、TSUTAYAやコメダ珈琲のチャレンジ事業の両輪で、会社設立から60年間なんと一度の赤字もないという福岡の優良企業、増田石油株式会社。今回の密着ドキュメントは、創業100周年を見据えた増田石油の安定と挑戦に迫ります。
増田石油株式会社は、福岡市に本社を置く、エネルギー事業を中核とした会社です。創業91年、従業員数およそ500名、年商189億と、九州の中堅企業の中でも、有数の規模を誇ります。
増田石油の歴史をたどると、創業は長崎。モータリゼーションの波に乗って業容を拡大し、その後時代の変化に合わせて事業の多角化を図ってきました。
福岡市を中心に九州各地に18店舗を持つサービスステーション事業、LPガス事業、卸・産業燃料事業といったエネルギー部門で安定経営を図りつつ、同時にチャレンジ部門として、保険事業、TSUTAYAやコメダ珈琲のフランチャイズ事業、また、太陽光発電・電力販売事業など、幅広く展開しています。
増田社長:「様々なことにチャレンジしてきて、もちろん失敗もたくさんありましたけど、その失敗とチャレンジの繰り返しで変化に常に対応してきました。」
増田石油の主力事業の1つは、ガスの販売です。しかしひと口に「ガスの販売」といっても店舗での仕事から、キッチン周りの仕事、さらにはマンションなど不動産にまつわる仕事まで、多岐に渡っています。ガス部の社員たちに聞くとこれらの仕事に共通するのは「人と関わる仕事」であり「人を喜ばせる仕事」だということです。
長崎支店の﨑村さんが取材の日訪れていたのは、長崎ちゃんぽん発祥の店として有名な「四海楼」です。中華料理は火力が命であるため、ガスがそのカギを握ります。﨑村さんは、コンロの火が正常かどうかメーターが正常範囲かどうか点検していました。
崎村さん:「ガス漏れがないかをまず第一に。安全に使えるかどうかですね。」
四海楼は、増田石油と先代からのお付き合いだといいます。陳社長は、増田石油の仕事を「社会貢献の要素が強い」と語ります。
span style=”font-weight: 400;”>四海楼・陳社長:「中華料理店という商売柄、火力が大事で、料理に火を使う。一般的な火では上手くいかない場合があるので、ウチにとってはかなり重要な要素だと思います。社会インフラに携わっている企業さんなので、仕事そのものがそのまま社会貢献になるわけですね。」
崎村さん:「任されたからには何かアクションを起こすこと、まずそれだと思いますね。私は経験があるベテランというわけでもないので、まず動く。色んなお客さんに対して動く。そこだと思います。」
また、福岡本社で働く藏元さん。取材したこの日は住宅設備のショールームにお客様を案内していました。キッチンのリフォームを検討しているお客様に、ガス周りのコンロや蛇口・収納棚を提案しています。
藏元さん:「『ガス』というエネルギーを取り扱っている。ガスは社会基盤として必要不可欠なものですし、それをお客様のご家庭に提供させていただいているので、すごく誇りに思います。車を運転していたり、道を歩いている時に弊社のボンベが立っていると、『こちらのご家庭で弊社のガスを使っていただいているんだな』と思い、すごく役に立っているなと思います。」
鹿児島支店の元村さんは、増田石油ではガスだけでなく、ガスを使うマンションなど不動産にまつわる仕事もしています。取材したこの日、元村さんは取引先の不動産会社を訪れて、マンションの空室対策のキャンペーンを提案していました。
取引先である谷口不動産の谷口社長は、元村さんについてこう語ります。
谷口社長:「『入居率をあげるにはどうすればいいか』というのが我々のまず一番の悩みです。今までの当社がお付き合いしたガス屋さんは、こういう提案はしたことがない。増田石油さんが初めてです。魅力は『誠実さ』だと思いますね。提案に対して熱意がある。」
元村さん:「何でもウチは取り扱っています。決まった商材、『ガス器具だけ』とかじゃないので。『こういった提案をしたら喜ばれるのでは』と常に僕らは考えていくので、想像力が働くというか。極端に言えば花を売っても良いんです。そういう意味では普通の営業と違うかなと思いますね。『何でも売れる』という自由さが魅力かなと思います。」
60年間赤字なしという増田石油の安定経営を支えるもう1つの事業が「石油」です。福岡を中心に長崎・鹿児島などに18箇所のガソリンスタンドを持つほか、病院や工場、警察署、海上保安庁などに石油を販売する「産業燃料」の部門もあります。
増田石油のうきは千年店。従来のガソリンスタンドにコンビニエンスストアを併設した、この店舗形態は、増田石油の中でも初めての取り組みです。
ここで働く甲斐さんは増田石油の事業展開についてこう語ります。
甲斐さん:「ウチの会社の強みはガソリンスタンドだけじゃなくて、色んな業種があること。ガス、TSUTAYA、コメダ珈琲・・・。増田石油だけでも色んな職種に携われる、そういうところは自分にプラスしかないかなと思います。」
ガソリンスタンドやコンビニエンスストアの仕事は、単にモノを売るだけでなく、地域になくてはならないインフラとなっています。
甲斐さん:「ガソリンスタンドもコンビニもうきは市にはあまり数がないので、『近くにできてよかった』と言ってくれるお客さんが多いです。災害時でもガソリンスタンドは店を開けていないといけないですし、いつでも給油に来れるようにスタンドを守るのが僕らの役目だと思います。」
同じく、ガソリンスタンドで働く大久保さんも自身の仕事の魅力について語ります。
大久保さん:「好きなことを仕事にできたことが一番幸せに感じています。正直、働いてると辛いこともあるんですけど、そういう時には先輩社員の方が支えてくれるので。私にとって増田石油は家族です。温かい会社だと思います。」
産業燃料部で働く荒瀬さんは、日々変動する原油価格を確認してお客さんにいくらで提供するのか、いわゆる値付けも担っています。取材のこの日は、久留米市の製麺工場を訪れて原油価格の値下げを報告しているようです。
交渉中の田中製麺・田中社長は増田石油についてこう語ります。
田中社長:「増田石油さんと長年お取引させていただいているんですが、これが信頼関係ですよね。」
荒瀬さん:「色んな業種の方が油を使っているので、色んな方とお話ができる。交渉する方は社長であることが多く、人生経験が豊富な方が沢山いらっしゃるので、学ぶところがある。そこが楽しみの一つかなと思ってます。」
ガスや石油といった安定事業を「堅実」な側面だとすると、増田石油のもう1つの側面が「チャレンジ」です。
そのチャレンジの事業として取り組んでいるのが、TSUTAYAやコメダ珈琲のフランチャイズや、太陽光発電・電力販売、また保険といった事業です。
TSUTAYA中洲gate’s店は増田石油がフランチャイズ運営をしているひとつです。TSUTAYAの事業は、増田石油のエンターテインメント部門として、映画や音楽、書籍を通してライフスタイルを提案しています。
ここで働く三秋さんは、自分の仕事についてこう語ります。
三秋さん:「音楽とか漫画を調べなくても常に新しい情報が入ってくるという面では、仕事だけど自分のプライベートも満たしてくれる。すごく楽しい仕事だなと思います。」
また、コメダ珈琲の福岡香椎浜店。ここも、増田石油がフランチャイズ運営をしているお店です。「くつろぎの空間」を提供しようと始まった事業だといいます。このお店には、増田石油の正社員が3名、配属されています。
久保田店長:「私たちが笑顔で働いていたら、きっとお客様もそのお店を選んで来てくれるようになると思うんですね。笑顔で溢れるお店にしたいですし、香椎浜店を選んでくれるお客様も一人でも増やしたい。ゼロからだからこそ自分たちで自分の好きなように、お店を作れるのはすごく魅力的だと思います。」
池口さん:「飲食店の仕事は初めてだったんです。アルバイトでもしたことがなくて。このコメダ珈琲が人生初の飲食店経験なので、最初はやっぱり怖かったんですけど、周りの人たちにも支えられて新しい仕事にも慣れてきました。また自分の能力的にもプラスになったかなと思います。1つの会社だったら1つのことしかできないというのが多い。そういった意味では増田石油は飽きがないので、非常に楽しく、気持ちをリフレッシュして仕事ができるなと思います。」
このように、増田石油の特徴である「堅実」と「チャレンジ」は、創業以来、代々大切にされてきた企業のDNAだといいます。
「堅実」と「チャレンジ」「いつも今より新しい」受け継がれてきた増田石油のスピリットは、100周年に向けたカウントダウンが始まった今日でも、社員1人1人の中に、しっかりと息づいています。増田石油の挑戦は、これからも続いていきます。
増田社長にこれからのビジョンについて伺いました。
増田社長:「石油を柱に、石油以外の部門ももっと拡大していきたい。具体的にいうと、非石油部門を50億規模まで伸ばしていきたいという目標があります。」
さらに、求める人物像について。
増田社長:「まずは謙虚さ。そして周りに対する感謝の気持ちを持てるか。人間力というのを大事にしてまして、信頼される人であったり…そういう方と一緒に働きたいと思っています。」