株式会社山口油屋福太郎

株式会社山口油屋福太郎の会社情報

会社名 株式会社山口油屋福太郎
代表者 代表取締役社長 山口 毅 代表取締役副社長 田中 洋之
所在地 福岡市博多区那珂6丁目27-16
事業内容 業務用食品、資材の販売 辛子めんたいこ及びめんたいこ関連商品製造・販売 OEM開発業務
従業員 471名務
公式サイト fukutaro.co.jp

株式会社山口油屋福太郎のポイント3つ

  • ご当地「めんべい」で地域おこしを!地域に愛される100年企業
  • 1万5000点以上の食品を届ける 食のコーディネート業
  • 「社員は家族の一員」表札に込められた企業姿勢

進化を続ける食品イノベーター「めんべい」生みの親【山口油屋福太郎】

九州のお土産の代表格である「めんべい」。そのメーカーとして知られる山口油屋福太郎では、地域おこしの一環として各地の名産品とコラボした「ご当地めんべい」を多数プロデュースするなど活躍の幅を広げています。食品メーカー、食品卸、温浴施設、飲食店など幅広い展開する一面も持つ、創業から100年以上経った今でも常に挑戦を続ける企業です。

ご当地めんべいを作った営業マンの仕事に密着

福岡県宗像市にある道の駅「むなかた」。九州トップクラスの人気の道の駅です。地場の海産物をはじめ特産品がズラリと並んでいます。その一角で存在感を放っているのが、こちら、「宗像わかめんべい」です。道の駅むなかたで働くスタッフは、このめんべいの売れ行きは好調だと言います。

篠原さん:「とにかくよく売れてます。おみやげに買っていかれる方が多いので、ご当地めんべいということで、喜んで買っていかれるお客様が多いです。」

めんべいのメーカーとして知られる山口油屋福太郎では、地域おこしの一環として、各地の名産品とコラボした「ご当地めんべい」を多数プロデュースしています。熊本めんべい、柳川うなぎめんべい、佐賀めんべい、鹿児島かつおめんべい、沖縄めんべい、そして、長崎鯛めんべい。

そんな「ご当地めんべいシリーズ」の中心人物が山口油屋福太郎の営業担当・藤川さんです。めんべいを使った地域の新たな名産品づくりが福太郎の得意技です。このわかめんべいも、道の駅だけでなく、地元の行政や漁協までもが太鼓判を押しています。

藤川さん:「行政も漁協も関わっているので、福太郎だけの商品ではない。地域の方々が『福太郎と組んでよかった』と思えるような気持ちのこもった商品を作らないといけないと思いますね。」

実は藤川さん、すでに次の新作ご当地めんべいを仕掛けているといいます。宗像のある特産品とのコラボ。それが・・・あなごです。県内で水揚げトップシェアでありながら、あまり知名度が高くなかった天然アナゴを特産品としてクローズアップしようというのです。

藤川さんたち営業3部の仕事は、こうした道の駅やデパート・お土産屋さんを日々回りながら自社商品を紹介するというものです。その中でも特に重要な仕事が、次の商品開発につながるような『情報の収集』です。取材したこの日も、アナゴの余ったキモを使って新商品を作れないかという話が出ていました。

藤川さん:「商材が出た時に『これって地元ではどうやって食べるんですか?』とか、そういうことを聞いてヒントにして、めんべいの味作りに役立てたりしますね。ウチの会社特有ななのかもれませんが意見が通りやすい。」

お客さんとの会話で仕事のやりがいを見つけ出す・食品卸の営業マン

株式会社山口油屋福太郎は、福岡市南区に本社を置く、食品卸および食品メーカーの会社です。

その事業は大きく2つ。

1つ目が「業務用の食材卸事業」。野菜や肉、果物、海産物、調味料・冷凍食品など、ありとあらゆる食品を、飲食店や学校、病院などに届ける仕事。

2つ目が「食品メーカーとしての顔」です。辛子明太子と、和え物などの明太子関連商品、また、めんべいなどのお菓子を製造・販売しています。その他にも、飲食店や温浴施設の運営も手がけています。

食材卸の営業担当・岩下さんは日々、福岡市内の飲食店や惣菜店、病院、学校などを回って、食材を届けています。取材したこの日は、ある惣菜店を訪れて、キャンペーン商品を勧めているようです。

岩下さんたち食材卸の営業マンの仕事は、単に商品を運ぶだけではなく「食のコーディネート業」といえます。自社の倉庫にある1万5000点もの様々な食材の中から、お客様が求める食品を提供したり、新しいメニューの提案をするなど密なコミュニケーションで信頼関係をつくっています。

今ではお客さんと冗談も言い合える仲になった岩下さんですが、実は元は人見知りで、入社後しばらく苦しんだこともあったといいます。

岩下さん:「何年目だったか・・・仕事が楽しくなかったんですよね。お客さんとの会話もなかったですし。でもいつしかお客さんと話すようになってから仕事が楽しくなってきて。お客さんとコミュニケーションを取れるようになったら、必然的にものが売れるようになって、今は楽しいですね。会社の同僚と飲みに行ったり、音楽のライブに行ったりしているんですが、やっぱり会社に一歩入ると『俺は◯個商品を売ってきたぜ』とかそういう会話になって。日々、数字で勝負しています。」

ユニークな商品開発をする山口油屋福太郎のルーツとは

福太郎のユニークさは商品開発や営業だけではありません。こちらはイケメンとめんべいを掛け合わせたインスタグラム企画「イケメンベイ」。日本の若者から外国人観光客まで幅広く注目を集めています。こうした福太郎のオリジナリティは、一体どんな背景から生まれているのでしょうか?

山口油屋福太郎の創業は明治42年。創業者の山口源一氏が食用油の製造業を始めたのが、その一歩目でした。その後、食品卸業に進出、昭和48年には福太郎の名で「味のめんたい福太郎」を発売。そして平成13年、明太子風味のせんべい「めんべい」を発売すると、瞬く間に大ヒット。博多の新たな名物になりました。

現在では総合食品卸を主力としながら、同時にメーカーとしての開発力も併せ持つ非常にユニークな食品会社として名を馳せています。

玄関に社員全員の表札。社員は家族の一員

山口油屋福太郎の本社の入り口には、全社員の名前が書かれた表札が掲げられています。これは、「社員は家族の一員である」という、山口油屋福太郎の企業姿勢の現れだといいます。田中社長はこの企業姿勢についてこう語ります。

田中社長:「ウチの社員は家族と同様だと伝えている。だから表札に名前が飾ってあるんです。例えば病気や怪我をしたりしても、家族だったら見捨てないだろうと。一緒に働く仲間は全員家族なので、お互い助け合ってやっていくという企業姿勢でやっています。」

 

めんべい「売上日本一」の店舗に密着~ブランドを届ける働きがいとは
こちら、博多阪急。JR博多駅ビルの中にあり、毎日、大勢の観光客や買物客が訪れます。実はここに、全国の阪急百貨店3500店舗以上の中から年間表彰でグランプリに輝いた店舗があります。

それがこちら、その名も「めんべい」。人気の秘訣は、この店でしか買うことのできない「博多阪急限定プレミアムめんべい」。原材料から、製造方法、パッケージや陳列、そして、接客に至るまで、山口油屋福太郎が、自社最高のノウハウを詰め込んだ商品です。阪急の担当者も、その接客レベルは際立っていると語ります。

博多阪急・藤井マネージャー:「福岡のお土産というと、めんべいは押しも押されもせぬ人気商品です。全ての商品が売り場で試食いただける。一人のお客様に対して、一人の販売員が付いて、最後の商品のお渡しの際には必ず表に出てきて商品をお渡しする。ここまで徹底してお客様にサービスをしている店舗は他にはないですね。」

この人気店を率いているのが、店長の鵜瀬さんです。鵜瀬さんにこの会社での働きがいを伺いました。

鵜瀬さん:「プレミアムめんべいに対してはすごく愛着があります。販売員の意見を尊重してくださる開発部、企画室、工場長…皆さんの想いが詰まったプレミアムめんべいを売るのは最初はプレッシャーだったが、一つのものを皆で作り上げる社風が私にはすごく合うのかなと思います。」

めんべいとともに山口油屋のブランドを守るには

山口油屋福太郎の田中社長に、求める人物像を伺いました。

田中社長:「求めているのは自分のためじゃなくて、人のために動ける人。そこが一番大切ですね。自分の仕事じゃないけど一緒に仕事をやることによって、パフォーマンスが上がったり周りの人が助かったりするなら、『自分がやるよ』と自ら動ける人がいいですね。」

最後に改めて、山口油屋福太郎で働く社員さんに、同社での働き甲斐を伺いました。

製造・大屋課長:「職人さんたちが作ってくださった明太子なので、この味は守っていきたいです。」

企画室・赤崎さん:「新しいものを生み出さないといけないというプレッシャーはありますが、『まずやってみて、失敗でも勉強になるからいい』というのが山口専務のモットー。『NO』と言わずにさせてくれます。」

 

油の販売から始まり、食材卸、明太子やお菓子の製造にまで、そのフィールドを広げてきた山口油屋福太郎はこれからどこへ向かうのでしょうか?

田中社長:「強化していきたいのは、食材卸とメーカーの売上比率を50:50にまで高めていきたい。食材卸では、きちんとした食材を適正価格で卸し、『和食』というものを皆様に理解していただいて、美味しく召し上がっていただくのが使命だと思っています。メーカーとしては、お菓子に自然志向を取り入れながら新しい商品開発を行って、国内に限らず海外にも輸出していきたいと思っております。」