九州大学 留学センター / 姜 益俊 准教授
高橋:先生には日本人の採用、就職、インターンシップと留学生の地元企業との出会いについて、ぜひ「はたらくTV」を見ている、日本人の学生に対してのメッセージを頂ければと。
姜:私も実は大学院を修了し、かなり大きな企業と研究所の内定をもらった。しかし最終的には福岡の地元の企業に入りたいと。
高橋:中堅企業に?大手の企業を断ったと。東京の企業ですか?
姜:東京の企業
高橋:東京の企業を断って、地元中堅企業を選んだと
姜:福岡が好きだったり、色んな人と仲良くなりたいと。研究室のご縁でその企業のことを知るよう詳しくになった。社員や一緒に仕事していた研究室のメンバーと食事も何度もしていた。色んな話をしていたので、何となく人間関係はできていた。それが大きかった。全く知らない会社に入るよりもご縁がある会社に入社したい。
高橋:安心感があると
姜:人数は大手に比べると少なく約850人で、大きくも小さくもなかった。何十万人いる会社よりは、頑張った分だけ成果を分かち合えるのではと。
高橋:個の持つウエイトが大きいと
姜:一人ひとりの役割分担も大きいので、色んな役割もさせて頂けるかなと。その通りだった。最初研究開発をして、完成した製品を一番技術的にしている人達に営業もして欲しいと言われたり海外営業もしてみたらと言われたり、パンフレットもつくってみたり。なかなか大手では経験しないこと。色んな業種、業務をさせて頂いた。
姜:今、思い返せば自分の力になっていると。今、全く違う職業に移ったと思っていたが、その時の経験が活かされているなと。人生の進路、選択肢は色々あるが、描いているようにはできないこともある。できない時に、何が一番大事かというと、広い経験や知識を持っていること。
「それ私出来ると思います」「やったことあります」ということを経験した上で、人生を生きていくのは大事。
姜:大手の看板だけ見ていくのも悪くはないが、仕事の内容を見て地元の色んな企業を経験してみたり、大手の関東の企業でも自分に無いものを探してみる。自分が吸収できるものを探していくのが最も大事。それをしなかったら、自分が知っていたことを全て使い切って空っぽになると思う。多少辛いかもしれないが全く違う分野に行ったり、「私はコップの研究をしているのにお茶のことをやってくれというのですか」となっても、時間が経てば自分の大きな糧になる。
姜:自分の知っている分野ばかりでフォーカスするのではなく、少し違うけど興味があるなと、やってみたいと思ったらチャレンジしてみるのもいい。チャレンジが後から大きな成果になってくるかも。