会社名 | ベルテクネ株式会社 |
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代表者 | 鐘川喜久治会長 前田努社長 |
所在地 | 福岡県粕屋郡須恵町大字上須恵1495番地の1 |
事業内容 | 総合精密板金(NCT加工、レーザー加工、切断・折曲加工) ・建築金物一式(幕板、笠木、巾木、見切り、手摺り等) ・建築金属工事・設計・製作 ・水産関連機器・設計・製作 |
従業員 | 84名 |
公式サイト | belltechne.co.jp |
ベルテクネ株式会社は独自の金属加工技術を活かして次々とオンリーワン製品を生み出す地方のスーパーニッチ企業です。今回のカウテレビ企業密着ドキュメントでは地方にありながら日本一の製品を生み出す強い会社として、全国の経営者も注目する優良企業 ベルテクネ株式会社に潜入し、その強さの秘密に迫ります。
ベルテクネ株式会社は、100年の歴史を持つものづくり企業です。地方にありながら日本一の製品を持つ強い会社として全国の経営者が注目しています。
同社には3つの事業部があります。
(1)金属加工事業部:ステンレス、アルミ、鉄など金属の「レーザー加工」や「曲げ」を行っています。
(2)建築工事事業部:金属製品の設計・施工・管理を行っています。
(3)水産機械事業部:魚の養殖場の餌やり機などを製造しています。
3つの事業のいずれもが、単なる下請けではなく、高付加価値製品を生み出すことに主眼が置かれています。直近期の売上は17億円、自己資本比率61パーセントと、非常に財務体質の良い会社として全国的にも有名です。
金属加工事業部の松崎さんは、建築物の外装や内装に使う装飾品や、食品工場の厨房製品など、幅広い金属加工を担当しています。
ベルテクネのセールスポイントは、金属加工の精密さです。その加工精度は0.1ミリ単位。1品1品、ほぼオーダーメイドでお客様の要望に応じた製品を作っています。
松崎さん:「1か所に0.1ミリのズレがあると、10回曲げると1ミリの差が出てくる。自分の製品が1番だと思って曲げています。誰にも負けないような製品を作りたいです。」
一般的に、大手の下請けで同じ製品を毎日大量に作るな金属加工メーカーが多いものですが、ベルテクネでは、お客様ごとに一品一品、高付加価値製品を作る「多品種小ロット」を信条としています。大手企業に依存せずに、数多くの顧客を持つことで、利益率が高く、経営が安定しているのが強い企業体質のカギだといいます。
企業経営に詳しい投資機関・大阪投資育成株式会社の山本九州支社長は、ベルテクネの経営について以下のように述べています。
大阪投資育成九州支社長・山本さん:「少量で多品種のものを幅広く提供できる力を持っているのは強いですね。ベルテクネさんの業績は安定した成長が描ける。中小企業の生き残り策としてはこれが非常に相応しいやり方だと思います。」
ベルテクネでは、金属加工の技術を活かして、今、さらに水産分野にも進出しています。取材では水産機械事業部の篠原さんに密着し、マグロ養殖の一大拠点、長崎県五島列島を訪れました。
篠原さんは自社が納めたマグロの餌やり機の稼働状況の確認していました。ベルテクネでは、空気圧を使って餌をいけすの隅々にまで飛ばす機械を開発しました。なんと、マグロ養殖の分野では国内トップシェアだといいます。こうした、狭い分野のトップシェアを持つことが、ベルテクネが、「スーパーニッチ企業」と言われるゆえんです。
篠原さんにベルテクネで働く喜びについて伺いました。
篠原さん:「お客様のニーズにあったものを作って、お客様が潤ってもらって水産業界がよくなっていったらと。そのお役に立てれば嬉しいです。」
ベルテクネでは、社員に国家資格の取得を推奨しています。資格を取れば、手当が増えるだけでなく、自信にも繋がるといいます。金属加工事業部の近藤さんは、女性として九州で初めて、板金技能検定の1級国家資格を取得したといいます。こうした理系女子が何人も在籍しているのもベルテクネの特徴の1つです。
近藤さん:「会社が受験費用を持ってくれて、資格を取るためのサポートは充実していると思います。『検定に向けて頑張ってるか?』とみんなが声をかけたり、周りの方々の理解もあると思います。」
こうした資格取得を推奨する背景には、経営者の社員への想いがあるといいます。
前田社長:「社員みんなに受けてくれといいます。資格取得にかかる費用は会社が負担します。これを始めた鐘川会長は、「自分のために資格を取りなさい」と言って始めた。この想いは私も受け継いでいきます。」
ベルテクネでは、会社のかじ取りは社長ではなく社員が中心となって行います。それが「社員主体経営」です。売上や利益をすべてオープンにすることで、社員が自ら判断できる環境を作っています。経営計画発表会では、社員たちが次々と登壇し、それぞれの部署の方針や目標を発表していました。トップダウンではなくボトムアップの経営です。
この社員主体経営の一環として、花見やボーリング大会といった社内イベントも全て社員が企画しています。普段は技術部門で働きながら、もう1つの顔として、イベント委員長も務めている百田さんに話を伺いました。
百田さん:「プライベートとメリハリをつけることが社員のモチベーションを上げる1つのポイント。入社間もないけれど、『自分はこういう意見を持っています』とか、ちゃんと話し合える職場づくりをイベントを通じてできたらいいなと思っています。」
100年を超えた歴史を持つ「高い技術力」、「高付加価値な商品しか取り扱わない」という事業ポリシー、そして、社員が主体となった経営。ベルテクネは、こうした武器を磨きながら、次なる100年へと向かおうとしています。
前田社長にビジョンを伺いました。
前田社長:「『社員主体経営』『社員の幸せの追求と実現』を目的にしている。社員が「ベルテクネで働いてよかった」と言ってもらえるような会社にするのが目的ですね。」