学生と社会人の違いは?面接で結果を出す答え


学生と社会人の違いについて考えたことはありますか?

採用面接でもよく聞かれる質問のひとつですが、自信をもって答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか?

なんとなく違うことはわかるけど、どう違うのかいまいち分からないという人のために、学生と社会人の違いについてまとめてみました。

学生と社会人の違い:社会人に求められるもの4つ

学生と違って社会人になると、求められるものが大きく分けて4つあります。

①時間の管理

②責任

③「ほう・れん・そう」

④主体性

これらを一つひとつ見ていきましょう。

①時間の管理

「学生は時間はあるがお金がない、社会人はお金はあるが時間がない」という表現を聞いたことはありませんか?。

社会人になると、会社やお客さんのスケジュールに合わせて動くことになります。学生のように、学校や試験に合わせてアルバイトを調節したりできません。その代わりに、安定した収入をもらえるのです。

それだけでなく、社会人には、仕事を時間内に終わらせることが求められます。

学生時代に試験勉強やレポート提出で、ギリギリまで手をつけず、追い込まれて一夜漬けをした経験のある人は多いのではないでしょうか?社会人になって、万が一仕事が期限に間に合わなかったとなると大問題に発展します。あなたの信用はガタ落ちしますし、一度失った信用は簡単には戻らないのです。

そのため、社会人にはスケジュール管理能力が求められます。

「この仕事を納期に間に合わせるためには、余裕を持って3日前には作業を完了させておく。準備には1週間かかるから◯◯日から手を付け始めなければならない」と、期限から逆算して考える必要があります。あらかじめ予定を立てて、時間内に終わらせるよう行動することがスケジュール管理能力です。

②責任

社会人になると、自分の行動の責任は自分で持たなければならないようになります。自分で稼いだお金で生活するようになると、学生として学校や家族に守られていた生活とはガラッと変化します。

それまではお金を払って学校で勉強していましたが、社会人になったらお金を支払われる側になります。お金をもらったら、それ相応もしくは期待を上回る価値を提供しなければなりません。責任感のないふるまいは許されないのです。

たとえば、学生であれば寝坊して授業に遅刻しても、罰を受けることはありません。お金を払って授業を受けている自分が損するだけですよね。しかし、社会人になると、「寝坊したから遅刻します」なんてことはありえません。寝坊したあなたの責任が問われます。

③「報・連・相(ほう・れん・そう)」

「報・連・相(ほう・れん・そう)」という言葉を聞いたことがありますか?

これは「報告」「連絡」「相談」の始めの文字をつなげた標語です。

「報告」「連絡」「相談」3つの違いについては、以下のように考えると分かりやすいでしょう。

過去、起こったことを伝えるのが「報告」

現在、起きていることを伝えるのが「連絡」

未来、起きることについて意見を求めるのが「相談」

細かく「報・連・相」を行うことで、業務が円滑に進み、より大きな成果を出せると言われています。

「報・連・相」をせず自分の判断だけでプロジェクトを進めてしまうと、間違っていることに気づかず進んでしまうことがあります。完成してからまた一から作り直すなんてことになりかねません。そうなると、あなたがかけた時間もお金もムダになり、納期に間に合わなくなることだってありえます。

同僚や上司への社内向けの報・連・相も大切ですが、お客さんと完成イメージを共有していくために社外への報・連・相も大切です。細かく連絡を取ることで、信頼関係も構築されていきます。いちいち情報共有をすることは一見すると非効率ですが、実はスムーズにプロジェクトを進められる一番の近道なのです。

ただ、なんでもかんでも相談して人に頼っていると、自分で考える癖がつかずに成長が遅くなる可能性があります。そのため、最近では「相談」の代わりに「確認」を加えて「確・連・報(かく・れん・ぼう)」と呼ぶこともあるようです。

④主体性

学生生活においては、「授業を受ける」という言葉に代表されるように、受け身の姿勢がほとんどだったと思います。一年間の勉強スケジュールや、授業の進め方などはすべて先生が決め、それに沿って勉強していたはずです。

一方、社会人は、自分のスケジュールは自分で管理し、自分の仕事は自分の裁量で行う必要があります。「先輩から何も指示されなかったから何もしなかった」「次何をしたらいいのかわからなかった」と、人から言われたこと以外は何もできない社会人になってはいけません。

社会人になりたての頃はわからないことだらけで何をしていいのか不安になるものですが、「何かできることはありますか?」と積極的に仕事を得ようとする姿勢は持っておきましょう。「これを教えてください」とできることを増やしたいと思っている姿勢を見せると、主体性のある人材だと評価されます。

面接官が「学生と社会人の違い」を聞くのはなぜ?

「学生と社会人の違い」は、採用面接でよくある質問の一つです。では、なぜ企業は学生と社会人の違いを聞くのでしょうか?

理由は2つあります。

①社会人になる覚悟を知るため

上の「社会人に求められるもの4つ」でも書いたように、社会人は学生と違って自分で考えて行動することが求められます。「社会人になってどうなっていきたいのか」「仕事をするということをどう捉えているのか」を企業は知りたいのです。

「覚悟」というと厳しい印象を覚えるかもしれませんが、企業は学生時代とは違うあなたのビジョンを知りたいと思っています。

②入社してからのギャップを減らすため

あなたの考える社会人のビジョンと企業風土が合っていないと、入社してから「想像していたのと違う」とギャップを感じてしまいます。同じことは企業にもあり、新入社員として教育していこうとしても、社会人としての考え方にギャップがありすぎると教育も難航します。

企業と学生、両方の考えのギャップを確認するために、「学生と社会人の違い」を質問しているようです。

学生と社会人の違いを説明する時に気をつけたいポイント

面接で、学生と社会人の違いを説明するときに、気をつけておきたいポイントを4つまとめました。心構えから、わかりやすく伝えるテクニックまで、詳しく解説します。

「社会人としてどうありたいか」前向きな回答をする

学生と社会人の違いを見ていると、社会人は大変そうだと感じてしまうものです。

しかし、社会人には社会人としての充実感があり、人間として成長できる機会も多くあります。

学生と社会人の違いを「本当は働くの嫌なんですけど…」と思いながら話していると、面接官には伝わります。社会人になることを前向きに捉えられていない人に内定は出せません。「社会人としてどうありたいか」を前向きに捉え、回答しましょう。

リアリティを持たせるために、就職前と後の自分に置き換えて考えてみる

学生である現在の自分と、社会人になってからの自分を想像してみて、どのような生活の変化があるかを考えてみましょう。

そのためには社会人の生活について知っておく必要があります。先輩や先生、キャリアセンターのスタッフ、家族に相談してみましょう。

比較の論点を揃える

学生と社会人の違いを語る上では「学生である今の状況」と「社会人になった状況」を要素で比較する必要があります。上に書いた「時間」「責任」「主体性」などは、学生と社会人どちらにも当てはまる項目です。学生と社会人のどちらにも当てはまる要素で違いを比較することで、論点を揃えることができます。

悪い例として、「学生は時間にゆとりがあるので友人と時間を合わせやすく、社会人は月収が決まっているため安定しています」という答えは、比較の論点が合っていません。

学生に対しては「時間」について話していますが、社会人に対しては「お金」の話をしています。学生と社会人という立場の違いを比較する対象がズレているため、わかりにくくなっています。

「学生は時間にゆとりがある」という比較をしたいのであれば、「社会人は自分でスケジュールをコントロールしなくてはいけないので、時間管理の能力や先を見越す能力が求められます」と表現すると、「時間」についての論点が揃い、わかりやすくなります。

結論から答える

わかりやすい伝え方のコツは、「結論から答える」ことです。

まず、「わたしが考える学生と社会人の違いは、◯◯です」と比較の論点から始めます。その後に「学生の場合は~、社会人の場合は~」と具体例を付け加えるのです。結論である比較の論点から話し始めることで、面接官も話を聞く準備ができます。相手が話を聞きやすいようにセットアップすると親切です。

ここまで学生と社会人の違いについて見てきました。

社会人になったら、これまでの学生生活とはガラッと変わった生活になります。今まで身につけてきた、人としてのルールやマナーを元にあなたがもっともっと輝ける場所が社会です。今回の記事が学生と社会人の違いを意識しながら、学生時代に学んだことを武器にステキな社会人生活を想像する材料になったら嬉しいです。